
2025年後期 キャリアデザイン演習A シラバス
テーマ:自分らしさの追求
社会が急速に変化し続けています。人類がいままでに経験したことがないスピードです。そして、この先もさらに複雑で不確定な社会になることは間違いありません。現在は人手不足を背景に就職率98%(令和7年3月)の売り手市場ですが、AIの普及や複雑な要因による経済状況の悪化によって、皆さんの雇用状況が急速に変化する可能性があるので油断禁物です。
しかし、どのような社会になろうとも、自分らしくいきいきとした日々を過ごす力を身に着けて実践することで充実した人生を送れるはずです。そのためにまず、もっと自分自身に興味を持ってください。例えば、過去の自分の思考や行動を振り返ったとき「絵を描くことが好きだった」という経験は「創造力」や「表現力」が自分らしさにつながることがあります。また、「負けず嫌いだった」という経験は、困難な目標に挑戦し続ける「向上心」が自分らしさとして現れることがあります。さらに、就活の時に「やりたいことができる保証はないが安定した職業を選ぶ」のか「自分の夢に向かってやりがいのある職業を選ぶ」のかは、価値観や信念を反映した自分らしさと言えるでしょう。
このような自己分析によって、自分の性格や強みや価値観を明確にしたうえで、
①自分の強みを常に発揮できるようにすること
②自分の価値観を大切にした生き方をすること
③失敗しても諦めず粘り強く挑戦し続けること
を心掛けることで、どのような社会になろうとも恐れることはありません。キャリアデザイン演習では、社会を生き抜く力を養うためのベースになる能力を身につけてもらうためのカリキュラムを実施します。
授業の到達目標
キャリアデザイン演習は、以下の4つの能力(到達目標)を身につけて成長したい学生=やる気のある学生を求めています。4つの到達目標の達成度が評価に直結するので、真剣に取り組んでほしい。
① コミュニケーション能力:相手と円滑に意思疎通を図り、良好な人間関係を築き、目標を達成する総合的な能力。単に話すのが上手いということだけでなく、聞く力、伝える力、理解する力など複数の能力から成り立っている。
② 自己理解力:過去から現在に至るまでの成功や失敗の体験から自分の思考や行動パターンを分析したうえで、強みや価値観、好きなことや得意なことを把握する能力。自己効力感や自己肯定感の認識を促し、キャリアデザインの基盤となる。
③ 課題解決力:現状の問題を特定し、その原因を分析し、解決策を考案・実行して、問題を乗り越えるための総合的な能力。身の回りの出来事に対して常に問題意識や疑問を持ち、改善しようと試みることで養える。
④ キャリアデザイン力:単に「将来就きたい職業」を決めることだけでなく、変化の激しい現代社会で、仕事と私生活のバランスをとりながら、自分らしく生きるための能力。人生やキャリアを主体的に設計し、実現のために行動して欲しい。
授業の生かし方
これらの能力を身につけるために、主に以下の機会を与えます。
〇 就活や仕事に不安がある学生は、卒業生や社会人と懇談できる機会を与えます。積極的に卒業生や社会人に問いかけて、アドバイスをもらうことで不安を取り除いてほしい。
〇 社会人としてやっていける自信を付けたい学生は、なるべく多くの他者と関われるグループワークの機会を与えます。積極的にグループワークで自分の考えを述べて、授業で指示された課題解決に貢献してほしい。
〇 やりたいことを見つけたい学生は、授業以外でも積極的に多様な人々と接する機会を与えます。是非、まちおこし研究会などに参加して①~④の能力を伸ばしてほしい。 社会では、仕事を含めてほとんどの活動が、自分一人では解決することができず、他者とのコミュニケーションが必要です。多様な人と出会い、彼らから影響を受け、気づきを与えてもらうことで、キャリア形成に役立ててほしい。
学外活動で能力を伸ばしたい学生へ
本学の公認サークル「まちおこし研究会(https://www.hiro-pro.com/machiken-sgu)」では、地域の多様な人々との交流を通じて、社会人として必要な能力(コミュニケーション能力、課題解決力、リーダーシップ)を身につけたい学生を募集しています。小樽市で、高齢者を対象にしたスマホ教室や、町内会主催の子供向けイベントの企画・運営や、小中学校に出向いて行うキャリア教育授業など、多岐に渡って活動しています。入会希望者は、moodleから私のLINE宛に申し込むか、授業をサポートしている学生(SA)に申し込んでください。なお、小樽までの往復交通費は定期区間外の実費を支給します。
講義日程
第1週 ガイダンス(9/24,25)
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アンケートを実施する(将来や就活の不安調査・自己理解の現状認識調査・受講目的調査)
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性格診断(16Personalities)を実施する
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マインドマップを作成する
第2週 新しいトモダチをつくろう(10/1,2)
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自己紹介用の名刺を作成する
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名刺を使ったアイスブレイク(友だちビンゴ、聞いて探そう!)を通じてグループを作る
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グループで取り組める論理パズル(戦国村)を実施する
第3週 不安や悩みを話し合ってみよう(10/8,9)
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グループで行うアイスブレイク(名刺交換ゲーム)を実施する
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グループで将来や就活の不安や悩みを共有したうえで、卒業生に相談したいことを動画に収録する
第4週 自分の考えを述べてみよう(10/15,16)
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グループでできるアイスブレイクを 実施する
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コンセンサスゲームを実施する
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予習:企業の採用担当者が学生に求める資質や能力を調べる
第5週 卒業生に聞いてみよう(10/22,23)
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多様な業種から数名の卒業生を招聘する予定
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就活や社会に対する不安や悩みに対して、卒業生からアドバイスをもらうグループワークを実施する
第6週 卒業生から学んだことを共有しよう(11/19,10/30)
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グループで行うアイスブレイク(パニックタワー)を実施する
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卒業生から学んだことや自分の考えに起こった変化などをメンバーに発表するグループワークを実施する
第7週 学生時代にやるべきことを決めよう(11/26,11/6)
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グループで行うアイスブレイク(描いて当てよう!、私は誰でしょう?)を実施する
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ライフプランシートを作成して発表するグループワークを実施する
第8週 企業の課題を学んでみよう(10/29,11/13)
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ペアで行うアイスブレイク(サインください)を実施する
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次週来校する企業の課題について調査・研究して社会人とのグループワークに備える
第9週 社会人とグループワークをしよう(11/5,11/20)
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実在する企業の社員と一緒に企業の課題を解決するグループワークを実施する(インターンシップ対策)
第10週 企業にプレゼンしよう(11/12,11/27)
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ペアで行うアイスブレイク(独占インタビュー)を実施する
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先週のグループワークで出された意見からアイディアを具体化させて企業に対 するプレゼン動画を制作する
第11週 業界について調べてみよう(12/3,4)
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グループで行うアイスブレイク(私のトリセツ)を実施する
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仕事の価値観が共通する仲間同士で、自分たちにあった業界をグループワークによって調査する
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次週来校する企業から気になる企業を選び質問を考える
第12週 業界について学んでみよう(12/10,11)
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小樽市から数社の企業を招聘する予定
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社会人から業界の知識を得るとともに、仕事や職場の実態・待遇など就活前に知っておきたいことを質問する
第13週 社会人から学んだことを共有しよう(12/17,18)
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社会人から学んだことや自分の考えに起こった変化などをメンバーに発表するグループワークを実施する
第14週 ライフプランを発表しよう(1/7,8)
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ライフプランシートを完成させる
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指定されたレポートを提出する(レポートの課題は第13週に発表する)
第15週 修了発表会(11/14,15)
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授業で学んだことや成長できたこと、他者に聞いてほしい経験、将来の夢ややりたいことを発表する機会を与える