

Respect autonomy
自主性を尊重する
まちおこし研究会(まち研)
まちおこし研究会は、キャリアデザイン演習(札幌学院大学教養科目:担当:松代弘之)では実践できない学外の社会との関わりのなかで、学生たちが主体的に地域コミュニティを活性化する活動を企画・運営するサークルです。
学生とは思えない企業並みの組織力と行動力に優れたサークルを目指しています!
"まち研"強さの秘密


ビジョンを明確にしてブレない活動を目指している
令和6年11月1日に、北海道テレコム懇談会 デジタル活用支援推進部会(第8回会合)が開催され、札 幌学院大学3年(当時)原田望愛さんが、「デジタル共生社会を実現するためのアプローチ」と題して、北海道総合通信局や道庁職員、公立千歳科学技術大学教授、NTT東日本、NTTドコモ、ソフトバンク、KDDI、楽天グループの社員に向けて発表を行いました。
現在、まちおこし研究会の活動は、若者と高齢者とのデジタルデバイド解消を目指すスマホ教室の開催、行事やイベントの担い手が不足している町会を支援する地域いきいきプロジェクト、小中学生に地域の関わりを通じてキャリア形成を促すキャリア教育・ふるさと教育、高齢者に代わり除雪の担い手確保を目指す国際スポーツ雪かき選手権など多岐にわたっています。
それらすべての活動は、サークル活動のただ一つの目的である「地域コミュニティの活性化」に基づいています。新たな活動を企画する場合は、必ず、ビジョンに照らし合わせて実行の可否を判断しています。
ビジョンを明確にすることでメンバー全員がミッションを理解してブレない組織に成長すると考えています。
役割と責任を与えてメンバーのモチベーションを高めている
まちおこし研究会の活動は、単なる「ボランティアのお手伝い」ではありません。
学生がプロジェクトを立ち上げる時にサークルからメンバーを募集します。やる気がある学生だけでチームを組織するところから始めます。
リーダーが中心となって企画を立案して、準備作業や当日の運営体制まで細かく計画を立てます。各メンバーには役割が与えられ、遂行できなければプロジェクトに支障をきたすことを理解すると全員に責任感が芽生えます。
チームの一員としてプロジェクトの成功に貢献したいと思う意識がモチベーションを高め、プロジェクトを完遂したときの達成感や反省を振り返ったときに、自己効力感や能力が高まったことを認識できます。

報連相を重視し毎週定例会を実施して情報共有している

まちおこし研究会は、毎週木曜日の放課後に全員参加の定例会を行っています。
定例会では、各プロジェクトからの進捗報告や新たなプロジェクトの説明やそれに伴うメンバー募集など全体で共有すべき報告事項を確認したあと、プロジェクト単位で集合して、イベントなどの準備を行います。例えば、後輩に依頼したチラシのデザインを確認したり、子供お楽しみ会の賞品を制作したり、Cafeで提供するドリンクの試作をしたりなど、全員が集まる時間を有効に活用しています。
私から伝えていることは、報連相を行うこと。特に、想定外のことが起こった場合はすぐに連絡する、悩んだり、困ったことはすぐにリーダーに相談する。一人で抱えずチームで共有して対処するよう促しています。それでも、一人で抱え込んでしまう学生がいますので、引き続き改善の余地はあります。
後進の育成を意識し持続可能な組織にしようとしている
サークル活動も近年の就活スケジュールに対応しなければいけません。
3年後期から徐々に就活が忙しくなり、4年前期はほぼサークル活動ができなくなります。会社に例えると、課長クラスが一斉に現場からいなくなる事態に相当します。
最近では、そのような状況を見越して、早期リーダー育成に力を入れています。今年度は、新2年生にサークルの代表・副代表を任せることになりました。新1年生でサークルに参加した学生のなかから熱心に活動するモチベーションの高い学生に重要な仕事を任せつつ、先輩がサポートに回りながら育成する方法です。会社に例えるとOJTでしょうか。代表以外のプロジェクトリーダーも新2年生が担当するケースが目立ってきました。
まちおこし研究会のリーダーは、主に外部との話し合いをメンバーに伝え、作業を分担しスケジュール管理を行います。つまり、マネジメントに徹して、全体を統括する役割を担います。

プロジェクト管理ができるリー ダーが育ちつつある

学生にとって、プロジェクト管理は容易ではありません。なぜならば、やるべき作業は理解できるのですが、「いつまでに」やらなければいけないのか?想像がつかないからです。
「リーダーになりたい」と希望する学生には、プロジェクトマネジメント講座を開いて、ガントチャートの作成と運用、ゴール(イベント当日)から逆算して作業納期を決める方法、プロジェクト全体を俯瞰で把握する重要性などを解説します。
あとはひたすら実践で自分の能力として高めていくほかありません。
一方でリーダーの資質がありながら一歩を踏み出せないメンバーがいる現状もあります。彼らは先輩たちがサポートに回ることで安心して受諾しているようです。孤立無援にしないで周囲の手厚いサポートを実践しているところがサークルの最大の強みなのかもしれません。
メンバー同士が仲良くなるよう心配りをしている
まちおこし研究会を観察していて、1人で参加するケース、仲の良い友人2人で参加するケース、4、5人のグループで参加するケースなど、学生たちは多種多様なケースで参加していることがわかりました。
特に、新入生が入ってくる4~5月は、各グループ間に会話がないバラバラの状態からスタートします。
これでは、初顔同士がチームになった場合、意思疎通が思うようにいきません。そこで、学生たちは、「まずは仲良くなろう」を合言葉に、定例会ではアイスブレイクやゲームを行ったり、新歓お花見パーティを実施したり、一人ずつ面談したりして、いち早く仲間に溶け込めるよう努力しています。
まちおこし研究会が発展している原点は、仲良し活動にあるのかもしれません。
