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深刻な悩みを抱える町会からの相談😓

March 1, 2025

<<深刻な悩みを抱える町会からの相談>>

先週、札幌市のある町会から相談したいことがあると連絡をいただき、学生2名を連れてヒアリングをしてきました。

役員の担い手が足りずに、8つある部会を5人で兼務しているという実態は、どこの町会でもあるあるなので驚きませんでしたが、札幌市が実施する排雪時のパートナーシップ制度に関わる課題は深刻でした。

役員の説明では、この町会の市道は全長24キロ、1キロあたりの排雪費用50万円を町会が負担する必要があるとのこと。

概算でなんと1,200万円年間収入の3分の1が排雪費用に消えてしまいます。

町会としては、全域を排雪してもらうしか選択肢がありませんよね。

しかし、ここで問題になるのが、町会費の未払い世帯も恩恵を受けるということ。

クレームの矛先が町会に向いていることで悩んでいるようです。

聞くところによると加入率は約67%。かなり低いですね…

加入世帯から見ると「払い損」、未加入世帯から見ると「未払い得」の状況です。

町会としては、未加入世帯に対して、せめて半額納付をお願いすることを検討しているとのことですが、逆に加入世帯が「だったらうちも半額にして」などと言い出すのでは?と考えたりもします。

それにしても、役員の説明が本当ならば、かなり乱暴な制度に思えます。

駅前の再開発やインバウンドに手厚い政策の一方で市民生活を蔑ろにしては次の選挙で厳しい判断をされるかもしれません。

相談の内容から、役員不足を解消したい・低い加入率を改善したい・除排雪の拠出金を捻出したいと、三重苦の現状を知ることができましたが、市の制度を変えるには私たちの支援では如何ともし難いので、役員不足と低い加入率の課題について、小樽市で実践している経験からアドバイスをさせていただきました。

最も重要なことは、住民に対して町会の価値を理解してもらうこと。

防災や減災、防犯や交通安全、清掃や美化、夏祭りなどの地域行事など、町会は住民同士が協力し合って生活環境を維持するために住民が互いに協力しあって成り立つ自治組織ではありますが、どこの町会も、いつの間にか一部の役員任せになっているのが現状です。

ゴミステーションの管理や街灯の交換などが町会の役割であることを理解していない住民も多いと思います。

恥ずかしながら、実際に私も役員になって初めて知りました。

恐らく力を貸したいと考えている住民は少なからずいるとは思いますが、役員になるにはかなりハードルが高いようです。

今までは、役員が一本釣りして後継者に引き継いできたように思いますが、気乗りしないことを押し付けられて快く受諾する人はいないのではないでしょうか。

少しでも町会に協力しようと考えている住民には、「負担が少なく」、「ワンポイントで」、「興味のある活動」に参加できるような体制づくりをすることをお勧めしました。

例えば、子供向けの夏祭り。

町会が全力で企画を考え、運営して子供たちに楽しんでもらいます。

しかし、企画力や運営力に衰えを感じている町会にとってかなりの労力。

そのような町会には、まち研が全面的に支援をして企画から運営までサポートし、持続可能な地域行事に創り上げようとしています。

まち研の役割は、町会に活力を注入することにあります。

特に、子供にも親にも近い学生の存在は重要です。

彼らが参加することで若者目線の行事やイベントが出来上がり、親たちも共感してくれているからです。

ここに、町会復活のチャンスがあります。

参加した親たちに「次回は友人を誘って来てください」、LINEで繋がって、次回の情報を流し、集客に協力してもらう。

それだけでも、町会の価値を実感して、間接的に町会活動を支援していることになります。

いずれ、町会の高齢者が苦労している姿を見て、自分たちが住んでいる地域の行事を無くしたくないという若い親たちが出現するまで続けようと思います。

辛抱強く、主体的とモチベーションをキーワードにして、若い世代を巻き込むことに集中すべきでしょう。とアドバイスさせていただきました。

しかし、どうもネガティブな回答が返ってきます。

先に述べたように少ない役員であれもこれもやっているので、これ以上作業を増やしたくないオーラが出てしまっているのです。

私よりも若い役員なので、この人が欠けると組織が崩壊するのでは?と思うと強く言えません。

本当の課題は外的要因よりも内的要因なのではないかな?と感じつつも、私たちが実践している地域いきいきプロジェクトの戦略でもある「コミュニティスクール制度を活用する」施策を提案しました。

なぜなら、地域いきいきプロジェクトの目的は、「地域ぐるみで子供たちを育む」であり、コミュニティスクールの目的にも合致しているからです。

したがって、町会役員にはコミュニティスクールの委員となって、学校と連携しながら子供たちに地域行事と地域の現状を知ってもらい、学校の経営方針の柱の一つに加えてもらうよう提案しました。

ちょうど3月が委員改選の時期にあたるので、町会から申し出があれば学校側も受諾してくれるはずですが、果たして、彼らは行動するでしょうか?

やる気を見極めたうえでその後の付き合い方を考えようと思います。

会議終了後、学生に彼らのことをどのように思ったか?を尋ねたところ、

「若い人を巻き込んだからと言って改善されると考えてはいけない」

「小樽市でお付き合いしている町会に比べるとやる気が感じらない」

とバッサリ。

学生の成長を感じられたのが一番の収穫でしたね。

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